文武廟
本館から約4.3公里、道路約10分文武廟は中国北朝宮殿式の建築で、規模は大きく、壮麗である。廟は三殿に分かれる。前殿二楼は水雲宮で開基元祖および文昌帝君を祀る。中殿武聖殿は関聖帝君および岳武穆王を祀る。後殿大成殿は至聖先師孔子を祀る。文武廟大成殿は全台で唯一正門を開いた孔子廟である(一般の孔子廟は平常閉まっている)。廟によると、日頃から参拝客が多いため、出入りの安全を考えて正門を常時開けているという。大成殿には青銅の孔子坐像があり、台湾で唯一聖像を奉る孔子廟となっている。孔子のほかに孟子および子思という三尊神像があるが、これらはもともと中国大陸にあって、義和団事件の際に日本の狭山不動寺に運ばれ、その複製が文武廟に奉じられたもの。
廟の前の広場には二つの巨大な朱色の獅子が控えている。これらは新光保険会社の呉火獅会長の寄贈によるもので、当地住民は「呉火獅」と呼んでいる。
【文武廟年梯】
日月潭一周道路が未開通のとき、文武廟へ行くには必ず船で文武廟下方の波止場についてから、かなり急な階段を上らなければならなかった。相当に苦労でこの階段は「通天梯」と呼ばれたりした。後に一周道路が完成すると、しだいに人々は文武廟下方の苦痛の階段を忘れていった。
最近、管理処においてこの階段を改修した。全長約150メートルで366段あるという。一年366日に相当する。(閏年)毎月一日に当たるところには踊り場が設けられ、二十四節気に相当するところにそのデータが刻まれている。階段を上り下りしながら、中国の民俗文化に触れられる仕組みである。この階段は「文武廟年梯」あるいは「年梯歩道」と呼ばれ、人気を集めている。
「年梯歩道」上には二十四節気のほかに、「祈福風鈴」という工夫も施されている。これは幸福を祈る一種のおまじない。まず文武廟で自分の干支の祈福風鈴を購入し、廟で「加持過火」の後、自分の姓名および願い事を書いて、入り口のところで大型の風鈴を鳴らしてから階段を下り、自分の誕生日のところに風鈴をかければ完成だ。
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